ラフマニノフ: 前奏曲 作品3-2 鐘 レコーディングと撮影

 ラフマニノフの最も人気のピアノ曲の一つ、前奏曲作品3-2をレコーディング・撮影し動画制作しました。ピアノは武田実里さんです。武田さんには音楽教室シンフォニアで講師をお願いしております。

 こちらの楽曲、特に解説という必要もないのかもしれないくらい有名ですが、演奏は鐘っぽく聞こえるでしょうか?今回、撮影するにあたり、前半と後半のダイナミクスの違い、中間部分の演奏法について少しスタジオオーナーから依頼を出させてもらいました。

Rachmaninoff Prelude in C Sharp Minor, Op. 3 No. 2

※動画後半では中間部分を上から撮影し、ゆっくり演奏してもらっています。

 割とスローテンポの演奏が多いのですが、この部分は敢えてラフマニノフの自演(ネットで探せば試聴できます)に近い感じでお願いしました。テンポも著名ピアニストが弾いているものより速めです。オーナー的には結構機械的な演奏で入ってくるイメージなんですよね。ある意味コンピュータのMIDI演奏のような・・・。

 入りの部分、C#m  –  D#7/C#  –  G#7b5b9/C# ( D7/C#)  –  C#mは緊張感を高める左手の保続音が肝かと思います。3つ目は恐らくトップノートに半音の動きを加えて緊張感を出すために、D#をDナチュラルにしています。V7の第5音下方変位の和音です。この曲は全体的には大して凝った和声は出てこないのですが、特にこの部分は保続音と半音下降で不気味な感じが出ており良い感じです。同じ音型が終わって、後半の下降フレーズが終わった後に、鐘の音が目の前で響いているような、大迫力の演奏になっています。是非ヘッドフォンでご視聴ください。